研究課題/領域番号 |
16720206
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松本 尚之 東北大学, 大学院・文学研究科, 助手 (80361054)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | ナイジェリア / 文化人類学 / 同郷団体 / イボ人 / 移民研究 |
研究概要 |
申請者は第2回現地調査をH17年8月〜9月にかけて行った。そして開発組合の役員および行政首長の側近である称号保有者たちへの聞き取り調査をほぼ予定通りに行うことができた。その後はこれまで得たデータをもとに、同郷団体の母村における自助活動に対する影響力とその限界を考察中である。 これまでの研究者は、村の運営をめぐる開発組合(まち組合)と行政首長の対立関係を強調し、それをイボ社会が現在抱える一般的な問題として論じてきた。本研究においても、前年度の調査によって、調査対象地域において過去にさまざまなかたちで組合と行政首長のあいだに摩擦が生じてきたことが明らかとなった。しかし本年度の調査では、両者のあいだには対立関係とは別に相互依存の関係もあることが判明した。 イボ社会では現在、行政首長が村の功労者に対して「チーフ」の称号を授与することが一般化している。授与の対象は村の住民だけでなく、ナイジェリア各地で生活を送る移民たちも含まれる。なかには他地域出身の異民族までもが称号を手にした事例もある。行政首長が与える称号は非常に高い象徴的価値をもち、多くの移民たちがそれを欲する。結果として行政首長は、都市移民が母村に地亜する自助活動に積極的にある動機を与えているのである。一方、開発組合は住民や移民たちの代表によって運営された組織であり、村の共有財産の管理運営を任されている。開発組合は行政首長に対して人的、経済的な支援を与えることができるのである。 今後はさらなる分析を進め、研究成果を総括し、その成果の発表を行う予定である。
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