研究課題/領域番号 |
16720207
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
島村 恭則 秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (10311135)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 多声・動態的民俗誌 / 多文化主義民俗学 / 生きる方法 / 朝鮮半島系住民 / 奄美・沖縄系住民 / 中国系住民 / 被差別部落住民 / 寄せ場労働者 |
研究概要 |
本研究は、フィールドにおける多様な社会・文化的立場とその相互の関係性・混淆性を動態的に把握する「多声・動態的民俗誌」の制作過程をとおして、新たな民俗学パラダイムの構築をめざそうとしたものである。 本年度は、大阪市西成区鶴見橋地区での最終補充調査(方法論的個人主義の立場からの語り調査を中心とした内容)、および比較の観点から国内における同地に類似した地域(旧スラム、旧闇市、寄せ場、在日外国人集住地区、低所得層多住地区)での調査を実施した(大阪市浪速区市営A住宅、大阪市天王寺区B地区、神戸市兵庫区C地区、京都市南区D地区、川崎市川崎区E地区)。また、日本社会学会(立命館大学にて開催)、日本社会病理学会(京都府立大学にて開催)に参加して都市下層関係の最新の研究動向について情報を収集するとともに、エスノグラフィ理論、および都市下層関係の文献収集・分析を進めた。 以上の作業等を含めた3年間の研究によって次のような知見を得た。すなわち、「多文化」状況の把握にあたって、これまでの「多文化主義」的な諸研究の多くは、その調査研究の対象を「民族」というカテゴリーでくくった「文化」に特化させ、ともすれば、固定的、静態的な記述・分析にとどまりがちであった。これに対して、民俗学では、はじめに「民族」ありきというスタンスを取らず、また、固定的な「文化」という枠組みの使用も留保し、人びとが日々生み出し実践している<生きる方法>(これこそが「民俗」である)のあり方、とりわけその多声性と動態性に着目する。そうすることで、固定的な「民族」や「文化」のカテゴリーでは把握しきれない生活当事者の実態を的確にとらえることができるようになる。 以上の知見に基づくと、本科研のタイトルに謳った「民俗学方法論の多文化主義化」とは、「多文化主義」を名乗りながらも、正確には、叙上のごとき方法論的立場(多声と動態の民俗学)への移行をさすものだということになる。このことが明確になったことが、本科研3年間の最大の成果である。
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