研究課題/領域番号 |
16720214
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 神田外語大学 |
研究代表者 |
林 史樹 神田外語大学, 外国語学部, 講師 (00364919)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 韓国 / 華僑 / ネットワーク / マイノリティ / 移動 / 移住 / 海外コリアン / 移民 / 台湾 |
研究概要 |
平成18年度は、8月に台湾における聞取り調査と、10月に釜山で行われた第3回上海通り祝祭取材および聞取り調査を継続して行った。また平成18年度は総括年度でもあり、論文をいくろが公表した。台湾の学会誌に公表した「中國菜的'現地化'與'再現地化'1を皮切りに、マクドナルド化という観点を意識し、事例を加えて公表した「グローバル化した韓国式中華料理」、韓国華僑と韓国人の連携が模索されるイベントに関する「釜山'第2回上海通り祝祭'調査報告)、海外移住する韓国人との比較の視点で本研究の成果を加えた「グローバル化時代における朝鮮系移民の統合」などである。何よりも、すでに10月刊行の韓国・朝鮮文化研究会学会誌『韓国・朝鮮の文化と社会』6号に掲載内定の「`韓国華僑'の生成と実践:移民集団の括り方をめぐつて」は、本研究で得た知見が活かされている。ただ同時に、本研究ではネットワーク調査を短期間で行なう大変さも抱え込んだ。一言でいえばマイノリティがもつ閉鎖性でライフヒストリーを語る人物が容易に現れず、成果を1本にまとめきれなかった。それでも、韓国華僑のネットワークについて解明されたことも少なくない.まず彼らは、大きく2つのネットワークで動いていることがわかった。1つは民族ネットワーク、もう1つは生業ネットワークである。前者は親族も含むが、同族としての韓国華僑にたよった移動のネットワークで、移民の括り方の拙稿と直結する。後者は、とくに調理師資格と関係する。その調査過程で華僑定着の歴史といえる韓国の中華料理の生成過程について調べ、これは数本の拙稿にまとめた.近年、さらに第3のネットワークが形成されつつある。彼らは韓国で生まれ育ち、言語はもとより韓国の土壌をよく理解する。山東省などでできつつある、中国朝鮮族や海外コリアンとの「民族」を越えた言語によるネットワークである。今後は、これらの重なりを明らかにしていきたい。
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