研究課題/領域番号 |
16730034
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
刑事法学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
渕野 貴生 静岡大学, 法務研究科, 助教授 (20271851)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 犯罪報道 / 適正手続 / 裁判員制度 / 公平な裁判所 / 裁判公開 / 無罪推定 / 社会復帰 / 予断排除 / 刑事立法 |
研究概要 |
裁判員制度下における刑事司法情報・刑事事件情報の報道についてあるべき法政策を提言するという本研究の目的に沿って、本年度までに収集した資料を活用して、捜査機関および被疑者・被告人による刑事事件情報の公表のあり方、および刑事事件報道のあり方について本格的に検討を行った。その結果、第一に、被疑者・被告人を有罪視する報道が事実認定者・量刑判断者に被告人に不利な予断を生じさせることを実証的に示すことができ、さらに、報道項目のなかでも自白、被害者のコメント、前科情報などがとりわけ強度の予断を生じさせる危険を有していることを明らかにすることができた。第二に、そのような予断によって被疑者・被告人の公正な裁判を受ける権利が侵害されないようにするための法政策を検討し、捜査機関が自白情報などを報道機関に無制約に提供することに対して法的規制を行うこと、これに対して被告人・弁護人側には防御権の一環として報道機関を通じた反論権を保障することなどを提言した。また、とりわけ公平な裁判員の選択に関しては、裁判員選択手続において、報道からどの程度影響を受けているかという点が浮き彫りになるような質問をすべきこと、そのために被告人側の質問権を保障すべきこと、裁判員候補者に対して個別面接方式で質問すべきことなどを提言した。そして、これら全ての研究成果を『適正な刑事手続の保障とマスメディア』と題する著書にまとめて公刊したことにより、本研究は、所期の目的を達成した。
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