研究課題/領域番号 |
16730035
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
刑事法学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松田 岳士 大阪大学, 高等司法研究科, 助教授 (70324738)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 身柄保全 / 身柄拘束 / 勾留 / 逮捕 / イタリア刑事手続 / ギリシャ刑事手続 |
研究概要 |
今年度も、イタリアおよびギリシャの刑事手続における身柄保全に関して、主として資料・情報の収集、整理、解読を続行した。イタリアに関しては、昨年度においてすでにいちおうの資料・情報収集を終えたため、今年度はギリシャ関係の資料・情報収集に重点を移した。その一環として、平成17年8月31日から9月13日までギリシャに出張し、同国の主要大学図書館において資料の複写等を行うと同時に、アテネ大学のキューピス助教授(刑事法)から、ギリシャにおける身柄保全をめぐる実務および理論状況に関する情報を聴取した。他方、イタリアの制度に関しては、段階的な「身柄保全制度」が、1980年代から個々の処分の導入により徐々に形作られ、1988年の刑訴法全面改正により一貫した形で整備しなおされた歴史的経緯、その後の部分改正、憲法の関連規定との関係、現行制度の制度趣旨や処分の選択基準等に関する判例・学説の展開について、すでに上記資料をもとに解明しており、あとは、その適用手続に関する研究を残すのみとなっている。もっとも、今年度は、本研究の成果を形にするための充分な時間が確保できなかったため、その公表は来年度以降に持ち越すほかない。できるだけ早い時期に、外国法の紹介、日本法の分析の順に、現在執筆中の関係論文を公表していくことにしたい。 いずれにせよ、身柄保全に関する勾留の「代替手段」の導入の必要性に関しては、2004年に開催された第82回日本刑法学会における研究報告「刑事手続における訴訟行為の再現可能性について」や(同報告は、刑法雑誌44巻2号に公表されている)、弁護士会における研究会等で紹介した結果、学界等で徐々に議論されるようになってきている。しかし、その本格的研究は未だ緒についたばかりであり、イタリアおよびギリシャにおける立法・判例・学説の紹介はこの問題をめぐる議論の充実に大いに貢献するものと期待される。
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