研究課題/領域番号 |
16730048
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
民事法学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
遠藤 歩 東京都立大学, 法学部, 助教授 (50347259)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 保証 / ローマ法 / 債権者の義務 / 保証人保護 / 近代法 |
研究概要 |
本研究は、保証という法概念の生成発展過を明らかにし、もって現代社会における保証人保護法理を再構成するため、近代的保証概念の原型たる古典期ローマ法の保証制度を解明している。 まず、拙稿「学説彙纂第四六巻第一章-保証及び委任について-保証概念の比較法的考察に向けて」(法学会雑誌46巻1号、2005年)では、ローマ法大全学説彙纂に採録された保証関連法文を全訳し、保証法研究の基礎資料を提供した。 次に、拙稿「近代的保証概念論序説 第一部 古典期ローマ法-債務者無資力リスク分配法則の比較法的検討-」(河内宏・大久保憲章・釆女博文・児玉寛・川角由和・田中教雄編『市民法学の史的思想的展開』信山社、2006年8月刊行予定)では、保証の類型に応じて、以下のように保証人保護法理を大きく異にしていたことを明らかにした。すなわち、fideiussio及びconstitutum debitii alieniにおいては、その片務契約的性格から、債権者の保証人に対する義務を観念しえず、それがために担保保存義務や通知義務は否定されていた。他方、mandatum credendae pecuniaeにおいては、債権者の委任契約上の義務から担保保存義務が肯定された。だが、債権者の保証人に対する通知義務は、ここでも否定されていた。 ところで、現代社会においては、日本のみならず、フランスやドイツにおいても、保証人保護は債権者の保証人に対する義務の拡大現象を伴っている。それゆえ、古典期ローマ法の保証人保護法理が近代社会で変容する過程を、特に債権者義務の拡大という視座から明らかにすることが、今後求められる課題であることが、本研究を通じて明らかになった。
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