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テロリズム・市民・平和:アルゼンチンの「汚い戦争」の起源に関する考察

研究課題

研究課題/領域番号 16730088
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 国際関係論
研究機関東海大学

研究代表者

杉山 知子  東海大学, 政治経済学部, 助教授 (90349324)

研究期間 (年度) 2004 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワードテロリズム / 冷戦期 / ラテンアメリカ / 国際関係理論 / アメリカ合衆国 / 国際NGO / 軍部 / 国家安全保障 / 市民社会 / アルゼンチン / 安全保障 / アメリカ / 民主主義
研究概要

平成18年度の研究では、以下2点が主要な研究実績である。
1.アメリカ合衆国への調査などにおいて、アメリカのラテンアメリカ研究者、ラテンアメリカ出身のラテンアメリカ研究者と意見交換を通し、アルゼンチンの「汚い戦争」の起源について考察する場合、冷戦期のラテンアメリカ、1970年代初めのチリでの左派政権であるアジェンダ政権の誕生とCIA支援を得たピノチェト主導によるクーデター、ウルグアイ、ブラジルでの軍事政権といったように、ラテンアメリカ南部の国際政治状況を分析枠組みに組み入れることにより、汚い戦争前のアルゼンチンの軍部の行動指針や国家安全保障に関する軍思想、軍部の使命や専門職業主義、アルゼンチン政治状況がより詳細に理解できるという知見が得られた。
2.従来、国際関係理論では、国家の行動基準は国益であり、国益極大化に向けて国家は合理的選択をし、行動するとのリアリズム理論が支配的である。しかし、ゲリラ活動だけでなく、市民の自由権をも国家転覆活動に関連すると認識し、対国家転覆活動戦争を展開したアルゼンチンの軍部のケースは、国家が合理的選択をすると前提にするリアリズム理論の限界を示唆していることが理解できた。特に、アルゼンチンのケースでは、ゲリラのメッセージや大陸規模での革命を目指したチェ・ゲバラのレトリックなどが軍部に過剰な脅威を与えたと思われる。また、汚い戦争が進むにつれて、5月広場の母親たちのメッセージや5月広場でのマーチが市民の軍事政権への抗議運動としてシンボル化していった。これらの点を考慮すれば、国家の行動を理解する上で、シンボルやレトリックといった合理的な選択や物質面を基盤とする国益を重視し国家の行動を説明しようとするリアリズム理論には限界があるのではないかという知見が得られた。

報告書

(3件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006 2004

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] アメリカの民主主義外交と国益 : 冷戦期におけるアメリカの対ラテンアメリカ政策の観点から2006

    • 著者名/発表者名
      杉山知子
    • 雑誌名

      東海大学政治経済学部紀要 38巻

      ページ: 17-29

    • NAID

      110006455453

    • 関連する報告書
      2006 実績報告書
  • [雑誌論文] 人間の安全保障確保のためのNGOの役割とその限界-アルゼンチンにおける失踪者問題を事例研究として-2004

    • 著者名/発表者名
      杉山知子
    • 雑誌名

      東海大学政治経済学部紀要 第36号

      ページ: 13-24

    • NAID

      110004045956

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [図書] 国家テロリズムと市民 : 冷戦期のアルゼンチンの汚い戦争2007

    • 著者名/発表者名
      杉山知子
    • 総ページ数
      197
    • 出版者
      北樹出版
    • 関連する報告書
      2006 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2016-04-21  

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