今研究においては、Rotating Savings and Credit Associations(ROSCAs)について分析を行った。 当初「stylized facts」の確立のため具体的なデータの利用可能性を模索していたが、具体的に利用可能なデータを見つける事ができなかったため、過去の実証論文(Calomiris and Rajaraman、JDE、1998等)で示されたobservationを参照しながら、理論的考察を行った。 理論的側面については、幾つか大別されるクラスのROSCAsについてcommitmentを仮定した上で行動分析を行った。しかし、理論的にどちらがdefaultの可能性が高くなるかの具体的な結果は得られなかった。それぞれにadvantage/disadvantageが存在し、現実には異なる環境でパフォーマンスの差がでると考えられる。 今研究におけるauctionのformatおよび仮定は単純なものとしたが、この設定においても所得水準のrealizationにより、bidsがfluctuateする事は容易に示すことが可能であり、Calomiris and Rajaramanで観察されているようなbidsの動きを説明することは可能である。Bidsが正の値をとる条件や、discount factorや(initial)wealth等へのheterogeneityが与えうる効果についても考察した。
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