研究課題
若手研究(B)
本研究は、巨大リスクの発生が家計の生活水準にいかなる影響を与えたかを分析することを目的としている。そのため、既存データに加えて、新たなデータを収集し、これらのデータをミクロ計量経済学の最新手法を用いて分析することを行ってきた。その一環として、本年度は主に三つの研究を行った、第一には、地震が家計行動に与えた影響を見るために、1995年の阪神・淡路大震災後の家計ミクロデータを分析し、家計のリスク対処行動を明らかにした。その成果の一部をまとめた研究は、論文として取りまとめると同時に、国際農業経済学会(IAAE)総会での基調講演の招待を受け、シンポジウムで成果の一部を発表した。第二には、1997年の通貨危機に直面した韓国家計の行動を分析し、論文として取りまとめると同時に、アメリカ北西部開発経済学コンソーシアム(NEUDC)で発表した。第三には、インドのタミルナド州における被災地域で以前行った被災者調査のデータを整理し、解析を加えた。このような観点に立った、社会的セーフティネットに関する基礎研究は、巨大リスクの発生が迅速かつ大幅な政策の変更を要する「危機的状況」であるため、政策の実践上極めて重要であるといえる。本研究の最終的な目的は、巨大リスクの社会的インパクトを解明し、望ましい事前的・事後的な社会的セーフティネットの構築という政策介入のあり方を、いくつかのケースに焦点を当て、詳細に分析しながら論ずることであり、これらの分析を包括的に取りまとめた論文は、上記IAAE報告論文としてまとめられており、現在同学会関係の出版物としての刊行が検討されているところである。
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Applied Economics Letters 14/4
ページ: 303-306
Journal of Asian Economics 16・2
ページ: 239-254
Economics Letters (掲載決定)
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Applied Economics Letters (掲載決定済)
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