研究課題/領域番号 |
16730176
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
森 裕之 立命館大学, 政策科学部, 助教授 (40253330)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 地方財政 / 地方交付税 / 一般財源 / 基準財政需要額 / 「三位一体の改革」 / 国庫補助負担金 / 小規模自治体 |
研究概要 |
本年度に行った研究では、小規模町村における移転財源のうち地方交付税に焦点を当てて、これらの自治体が福祉・医療施策、環境政策、産業政策などにおいて一般財源をどのように活用しているかを(1)個別自治体のケース・スタディ、(2)都市を含む自治体間比較、の2つの観点から検証した。とくに、我々が開発した基準財政需要額と決算一般財源との比較を通じて、一般財源の超過および過少の状況がいかなる要因によって引き起こされているかに着目し、そこから中央政府による財源保障の機能に関する再評価を行った。これにより、小規模自治体では(1)土木費の投資的経費の基準財政需要額を決算額が超過している、(2)公債費における一般財源の不足額が大きくなっている、(3)一般行政サービスについては、全般的に経常経費等における一般財源の不足が著しい、(4)独自施策が一般財源の不足額に顕著にあらわれる、といった点が明らかとなった。(4)の点に関しては、調査を行った泰阜村や本山町などの福祉・医療施策や阿智村の産業施策などにおいて顕著な結果がみられた。また、国庫補助負担金に依存せずに一般財源を巧みに利用して、地域社会に適った行政施策の展開によって財政負担を軽減する取り組みの効果については、下條村や旧寒川町の合併処理浄化槽による下水施設整備や阿智村の地域自治組織との協働によって確認することができた。そして地方一般財源をベースにした自律的財政システムの確立には、このような独自施策の展開と同時に、泰阜村や下條村等の策定した精緻な「自律計画」と都道府県による支援が必要なことが長野県を事例として明らかにできた。
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