研究概要 |
昨年度、一昨年度までの基本的な作業を受け、本年度は、機屋経営におけるおかみさんの役割についてインタビューを行った。その成果と文献サーベイに基づく英語論文(Okamisan's role in family business : the importance of the owner's wife in the management strategy of the modern weaving industry)を執筆し、ヘルシンキで2006年8月に行われたXIV International Economic History Congressにおけるセッション(Beyond Chandler ; The Survival of the Family Firm in Europe, Asia, and North-America in the XIXth and XXth Centuries)に参加し、口頭報告をした。本セッションの組織者が中心となって、セッション参加者による論文集の刊行計画が現在進行中であるが(その際、本研究代表者も寄稿予定)、日本語論文としても雑誌への投稿を準備している。 さらに、家族小経営における組織と技術に関しても研究を進め、その成果はThe rise of the power-loom factory in the traditional silk-weaving district : Change in demand and labour market (Tetsuji Okazaki ed. Production Organizations in Japanese Economic Development, Routledge,2007)として公表した。また、『経済発展と産地・市場・制度』(ミネルヴァ書房、2007年)では、家族経営をとりまく産地や市場、ならびに組織や制度といった広い枠組みで織物業の発達を考察した。
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