研究課題/領域番号 |
16730199
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
大柳 康司 専修大学, 経営学部, 助教授 (30365845)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ターンアラウンド / 事業再生 / 健全度 / 戦略評価 / ニューラルネットワーク / 共分散構造分析 / 縮小戦略 / 復帰戦略 / 縮小線戦略 |
研究概要 |
本年度の成果をまとめると、次の2つの点にまとめることができる。 一つは、ターンアラウンド戦略の成否はどのように決まるのかを検討したことである。事業再生のケーススタディとして、日産自動車をとりあげ、ターンアラウンドがどのように行われてきたかを整理し、その成否の判断の基準を検討した。カルロス・ゴーンによる事業再生以前に、2度ほど日産自動車はターンアラウンドを試みている。日産自動車の2000年前後の状況をかんがみれば、以前のターンアラウンドの試みは決して成功したとはいえない。この点をふまえ、ターンアラウンドの成否を分ける定性的な要素とは何かを検討した。結論は、経営者と従業員の危機感の共有、徹底したコスト削減・収益向上の追及、利害関係者の支援の3点がターンアラウンドの成功には不可欠であるということである。 もう一つは、ターンアラウンドの成否の判断に利用されることが多い企業価値をどのように測定すればよいのか検討したことである。論者によって、企業価値の測定方法は大きく異なる。測定方法が異なれば、当然結果も異なってしまう。単に、財務諸表上の利益を改善するだけでは、真の企業価値が向上することはない。そこで経済的側面に、組織的側面、社会的側面を加えた多面的な評価の重要性を主張した。さらに、企業価値形成に欠くことができないステークホルグー間の相互作用を示すコーポレート・レピュテーションを導入し、企業価値形成過程を重視した企業価値測定モデルを提案した。事業再生においても、このレピュテーションは重要なものといえ、今後の研究で、この2つの関係をより明確にしていきたいと考えている。 最後に、本年度実施予定のアンケートであるが、作成は終わったものの、時間的な制約から実施までいたらなかった。現在実施に向けて準備している。今後、アンケートの成果を含めた3ヵ年の研究成果を、本として出版する予定である。
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