研究課題/領域番号 |
16730201
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
西脇 暢子 日本大学, 経済学部, 助教授 (50315743)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | プロフェッショナルワーカー / 会計士 / ネットワーク / プロフェッショナル / 組織・人事管理 / 組織化 |
研究概要 |
大手監査法人を対象におこなったプロフェッショナルワーカーの組織化とその働き方について、これまでに以下の発見をした。 (1)大手監査法人内部では業務割当を通じて複数の非公式的に業務グループが形成されている。 (2)(1)で発見した業務グループはいずれもパートナーと呼ばれる部内のトップ層を中心に形成されているが、このどこに属するかによって中間層であるマネジャーの内部昇進に違いが生じている。 今年度はこれらをふまえて、ネットワーク分析ソフト(UCINET)を用いてプロフェッショナルたちが形成する非公式グループの分析をすすめた。その結果、(1)大手企業とそのグループ会社を多数クライアントにもつパートナー、(2)金融など専門分野をもつパートナー、がネットワーク形成上有利であり、これらのいずれかに属するマネジャーが内部昇進においては有利であることがわかった。これらの発見はプロフェッショナルの管理と活用を議論する際、従来の見解とは異なる次のような示唆を含んでいると思われる。第一にキャリア形成についてである。一般的にプロフェッショナルは組織に参加していても自律的に自らのキャリアを追求できると考えられてきたが、実際にはそうではない。他の協働メンバー、特に上司に当たるパートナーの誰とどんな関係をもつかによってかなりの影響をうけてしまう。プロフェッショナルのキャリア形成について議論する場合には個人の能力以外に組織的要素を考慮すべきである。 第二に、プロフェッショナルのマネジメントについてである。監査法人のパートナーは業務獲得、チーム編成、成果達成の全プロセスに対する権限と責任を与えられている。これが会計士としての自律性の確保につながる反面、他の会計士の自由を制限する原因にもなっている。プロフェッショナルを組織で管理、活用する場合、彼らが専門の雨量を発揮できるよう権限を委譲するだけでなく、権限を与えられた者が他のメンバーが強い影響力を行使しないよう組織としてコントロールする必要がある。
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