研究課題/領域番号 |
16730277
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 広島修道大学 |
研究代表者 |
狩谷 あゆみ 広島修道大学, 人文学部, 助教授 (80320018)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 犯罪 / 性 / ジェンダー / 社会意識 / メディア |
研究概要 |
本研究の目的は、加害者もしくは被害者が「女性」である事件を事例とすることで、犯罪と「性・ジェンダー」をめぐる社会意識を社会学的に解読していくことである。具体的な研究内容は、昨年度に引き続き、犯罪、社会制度、メディア、表象、ジェンダー、労働、階層/階級など、犯罪と「性・ジェンダー」を社会学的に解読していくために必要な国内外の文献を使用し、分析枠組みの検討を行った。また、近年に起きた加害者もしくは被害者が「女性」である事件に関する資料を収集した。また、大阪及び東京を中心として、「性・ジェンダー」に関する団体を通じて資料収集や参与観察調査を行った。また、ドキュメンタリー番組や新聞記事、雑誌記事といったメディアに着目することによって、犯罪と「性・ジェンダー」をめぐる言説が、それぞれどのような社会的文脈に基づいて構成されているのかを比較検討した。本年度行った調査研究及び文献研究によって明らかとなった知見は以下の点である。一般刑法犯検挙人数や受刑者数に占める女性の比率は、男性と比較すればわずかであるにも拘わらず、マスメディアを通じて、年々女性による犯罪が増加し、凶悪化していることが強調されている。被害者が女性である場合は、「被害者の落ち度」「被害者にも非があった」ことが強調され、「被害者=女性/加害者=男性」という構図自体が問われることなく、「過剰な報道」という形で被害者に社会的制裁が加えられるといえる。一方、加害者が女性である場合も、「過剰な報道」という形で、法的制裁の上にさらに社会的制裁が加えられているといえる。ただし、加害者が女性である事件の場合、被害と禍害の関係性を見ていくと、ドメスティックバイオレンスなど、加害者の女性が社会的には「被害者」である事例も少なくなく、社会的には「被害者」ともいえる女性が事件の「加害者」となっている事例をどのように解釈していくのかは、今後の課題として残った。
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