研究課題/領域番号 |
16730328
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育心理学
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研究機関 | 作新学院大学 |
研究代表者 |
松本 秀彦 作新学院大学, 人間文化学部, 専任講師 (70348093)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 運動抑制 / 近赤外光脳血流量 / 事象関連脳電位 / 注意欠陥多動障害 / 連続遂行課題 / 近赤外光脳血流反応 / 事象関連電位 / 持続的注意 / 注意欠陥・多動性障害 |
研究概要 |
注意欠陥・多動性障害(ADHD)児の注意機能と運動抑制能力の中枢発達を評価することを目的とし、前頭葉機能の背景となる一過性注意過程とその基盤となる持続的注意過程の関連性、さらには両者を総合した注意状態における運動抑制過程の中枢発達の変化及びADHD児における障害特性の解明を行うことを目指した。 初年度は、基礎データの集積として、本研究で用いる課題は連続遂行課題(以下CPT)の妥当性の検討、健常成人を対象に課題遂行時間中の覚醒度の変動を近赤外光脳血流反応によって捉えること、試行における運動抑制のミリ秒単位の過程を事象関連脳電位によって検討した。持続的注意の変動と脳血流反応については健常成人を対象としてデータ集積を行った。CPT課題遂行中における脳血流反応と事象関連電位との関連より、課題の経過時間にともない心的努力の低減で脳血流は減少するが、運動抑制において前頭部から反応抑制性の事象関連電位成分の惹起が認められることが明らかになった。一方で児童においては脳血流のベースラインの確定が難しく、背景脳波指標によりその持続的注意の指標とし、事象関連電位と惹起を課題経過時間によって分析を行った。その結果、課題前半では脳波周波数成分のパワーは大きく、中盤から若干減少した。事象関連電位の反応抑制性のP3成分は、反応抑制に対応した電位分布を示し、N2成分は明確ではなかった。ADHDにおいては、周波数成分は健常児ほど高周波数成分のパワー値が持続しなかった。また、後半になると反応抑制性P3の出現がはっきりしなくなった。これは、後半においては課題への注意がばらつくことによって処理のタイミングが一定ではなくなったためであると思われる。ただし、症例数が少ないため、今後症例数を増加して、障害の特質との関連を検討することが課題として挙げられる。
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