研究課題/領域番号 |
16730348
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
臨床心理学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
高橋 知音 信州大学, 教育学部, 助教授 (20291388)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | プロソディ / 語用論 / アイロニー / 高機能自閉症 / 心の理論 / アスペルガー症候群 / 広汎性発達障害 / 感情 |
研究概要 |
高機能自閉症等がある大学生の社会的情報読みとり能力を測定することを目的として、他者の感情や意図を声の調子(プロソディ)と表情から判断する能力を測定するための課題を作成した。この課題は、言語内容と声の調子が一致しない音声刺激(不一致条件、例えば怒った声で「これおいしいね」と言う)、一致する音声刺激(一致条件)、言語内容に特定の感情要素を含まない刺激(感情分散条件と無感情条件)を呈示し、発話者の感情を言語内容に影響されないで回答できるかどうかを調べるものであった。この課題と自閉的傾向を測定する質問紙(自閉症スペクトラム指数:若林他,2004)を実施したところ、課題成績が低い被験者は自閉的傾向が高いことが示された。また、共感性を測定する質問紙(共感経験尺度改訂版:角田,1994)を実施したところ、課題成績が低いものの共有経験得点が低かった。性差に関しては、女性の方が課題得点が高く、これは先行研究と一致する結果となった。これらのことから、課題の妥当性が検証されたと言える。 この課題を広汎性発達障害の診断を受けている3人の青年に実施したところ、一貫して不一致条件の得点が低かった。一方、他の条件については大学生の平均値と比べても高い得点を示す者がいた。広汎性発達障害の診断を受けていても、感情認知がまったくできないわけではなく、皮肉や冗談といった、字義と感情が一致しないような表現の理解において特に困難を示す可能性がある。
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