研究課題/領域番号 |
16730361
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
臨床心理学
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
佐々木 直美 広島国際大学, 人間環境学部, 講師 (00341230)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 介護ストレス / 認知症高齢者 / 家族 / 在宅介護 |
研究概要 |
郡部在住で在宅介護をしている家族(介護者)に調査および面接を実施した。調査研究の結果からは、介護年数が長く、被介護者の物忘れの程度が高い場合、介護者が感じる主観的幸福感が低かった。また、郡部の家族はセルフヘルプグループといった集団のなかで介護にまつわる辛さやしんどさを語るよりも、介護に関する情報提供や講義様式での知識の提供を求めていることが示された。その理由として、介護ストレスがあることは認めているが、それを表出することは罪悪であると感じていたり、身内のことを話すべきではないという規範意識が働いていた。これにより、すぐにセルフヘルプグループを開始するのではなく、まず講義や料理教室などを行い、支援者や参加者間でラポールを形成した後で、実施することが望ましいと考えられた。よって、その後、支援者が町内のイベントに参加してなじみの関係を作った後、介護者自身のリラクゼーションと知識提供を目的とした健康教室を実施した。その結果、実施前後において、介護者の主観的幸福感には有意差は認められなかったが、介護負担感について、講座実施後は被介護者の身体的要因(排便・難聴)を挙げている者はおらず、「被介護者の笑顔に気づく」「生老病死を教えてくれる」といったポジティブな感情が増加していた。これらの感情の変化は、介護者が介護から離れて健康教室に参加するため、自分の時間を作ることで見直せた点であった。その後、参加者に数回にわたり、介護年数とその介護様式の変化と心理的受け入れ過程を調べるための面接を実施した。その結果、介護初期では「自分が面倒を見ないとしかたない」と感じているが、その後、「なぜ自分が介護する必要があるのか」という感情が起こるが、それは一方で「認められないもの、感じてもどうにもならないもの」と感じられていた。その葛藤の中、「配偶者の支え」「被介護者との関係性」が介護継続の要因となっていた。
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