研究課題/領域番号 |
16730365
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
池上 将永 旭川医科大学, 医学部, 教務職員 (20322919)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | フラストレーション状況 / オペラント課題 / 報酬 / 消去 / 強化密度 / 前頭葉 / 近赤外分光法 / 局所脳血流 / フラストレーション |
研究概要 |
本研究ではフラストレーション状況におけるヒトの前頭前野の活動を検討するために、実験的なフラストレーション状況を設定し、実験課題遂行中の被験者の行動反応、および前頭葉における局所脳血流の変化を近赤外分光法(near-infrared spectroscopy ; NIRS)を用いて計測した。 平成17年度では、成人男女のべ33名を被験者として、視覚的注意課題、オペラント課題、および反応時間課題を遂行しているときの前頭葉の局所脳血流の変化をNIRS装置を用いて検証した。反応時間課題では、ターゲット検出までの反応時間および反応の正確性について、被験者は試行ごとに評価され報酬ポイントが与えられた。反応時間課題の前半セッションでは、反応時間に応じて一定の評価が与えられ目標指向行動は円滑であった。その際の前頭葉では、広い範囲で酸素化ヘモグロビン(oxy-Hb)の増加が認められ、課題遂行に伴う前頭前野の賦活が示唆された。一方、後半セッションでは、反応時間に関わらず評価を伴わない試行が複数含まれており、努力に見合った報酬が得られないというフラストレーション状況であった。被験者の反応時間は前半セッションに比べて有意に短縮され、報酬獲得に対する動機づけが高まっていることが示唆された。また、セッション終了後の質問紙(Attention-Affect Check List ; AACL)を用いた主観報告では「苛立ち」のポイントが有意に増加しており、被験者がフラストレーションを感じていることが示唆された。さらに、後半セッション遂行時の前頭前野では一部でoxy-Hbの減少が認められ、課題依存的な"deactivation"が生じていることが明らかとなった。本研究の結果から、フラストレーション状況においては、前頭前野の活動パターンが円滑な目標指向行動が行われている状況とは異なっており、事態の評価、動機づけ、情動反応の生成や制御を反映した変化が生じていることが示唆された。
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