研究課題/領域番号 |
16730378
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験心理学
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
渡邊 克巳 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 研究員 (20373409)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 視覚 / 運動視 / 位置の知覚 / 視覚的注意 / 瞬間提示 / 人間 |
研究概要 |
平成16年度に引き続き、瞬間提示された視覚刺激の知覚的位置の誤りに関する実験心理学的研究を継続し、平成17年度は研究成果の発表と、さらなる研究範囲の拡大を主な目的とした。特に、フラッシュ刺激を二次元的に設定することで位置知覚の空間的なずれを調べる実験を集中的に行い、2次元データのグラフィカルなデータ解析を新たに購入したコンピュータを利用して行った結果、運動刺激のやや後方に向かって知覚位置がずれるという非対称性を確認することができた。また二つのフラッシュ刺激を直線で結んだ条件では、知覚位置は同様にずれるものの刺激の長さは運動刺激と重なる条件以外ではほとんど変化しなかったことから、視空間そのものの歪みと知覚物体の位置表象の歪みの双方が生じていることが示唆される結果も得た。これらの成果は5月の国際学会(Vision Sciences Society、アメリカ合衆国フロリダ)、11月の日本基礎心理学会(東京、立教大学)などで発表された他、国際誌(Psychological Science)への投稿をすませ、すでにアクセプトされた。この研究成果に基づき、運動刺激による視覚的知覚空間の歪みがどのような時間経過を経て成立するのかを調べる実験もスタートし、その成果は来年度の国際学会で発表する予定である。さらに「視覚的運動による瞬間提示刺激の誤定位に運動刺激が意識的に知覚される必要があるのかという」新たな問題を設定し、両眼視野闘争を利用した実験も行なった。その結果、運動の知覚が誤定位の必要条件であることを発見し、速やかに論文として投稿し(Vision Research)、アクセプトされた。
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