研究概要 |
中学校技術・家庭科技術分野(以下,技術科)の目標において生活を工夫し創造する能力と実践的な態度を育てることが掲げられている。その目標を実現するためには,生徒の学習内容に対する意識や態度等に関する事柄についても着目した授業実践が必要だと考えられる。また,生徒の意識や態度に注目し,生徒の内的状態を把握する試みは,技術科の学習指導に関するカリキュラムや教材開発の研究について有益な資料になると思われる。 本研究は,生徒の学習内容に対する意識や態度に着目した学習指導を行うために,教師が生徒理解を積極的に試み,有機的に実践することを目的として取り組んだ。 平成18年度は,前年度からの「情報とコンピュータ」に関する学習指導について検討を引き続き行い,学習指導に即した教材開発や授業実践を行った。具体的には,情報倫理に関する学習指導のための小冊子の制作と知的財産教育のためのグループワーク教材の開発に取り組んだ。 情報倫理に関する学習指導のための小冊子は,小学校および中学校の情報倫理学習の場面に即し,児童・生徒の興味・関心,既習知識および学習の連続性などを考慮した内容で構成した。 知的財産についての教材は,実際に知的財産に関する話題をシュミレーションするゲーム教材を開発した。さらに,その教材を用いて金沢大学附属中学校での教育実践を行った。その結果,学習者は知的財産の保護の意味や社会に及ぼす影響について理解を深め,他人の知的財産を保護しようとする姿勢が強くなることが示され,一定の成果が見られることが明らかになった。
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