研究課題/領域番号 |
16730424
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教科教育学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
小笠原 拓 鳥取大学, 地域学部, 講師 (20372675)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 中等学校教員検定試験(文検) / 中等学校「国語科」の枠組み / 「国語科」教員の教養 / 教員養成 / 試験制度 / 教育と学問の関わり / 教員の学びと自己形成 / 新屋敷幸繁 / 古典教育 |
研究概要 |
本年度は、研究計画にもとづき、過去2年間で積み残した資料の収集とその分析を実施した。3年間の研究において、以下のような事実が明らかとなってきた。 第1に、「文検国語科」の制度と歴史についてである。先行研究において、「文検」制度全体の変遷は一定の理解が得られていたが、「文検国語科」の制度については、十分に追究がなされてこなかった。このことについて、受験雑誌や受験参考書および公的な文書などの情報を手がかりに、その大まかな流れを明らかにすることができた。とくに当時の中等学校における「国語科」の枠組みと、試験制度の関連を整理することで、制度変遷の背景を把握することができたのは大きな成果である。 第2に、「文検国語科」試験問題についてである。これについては、当時数多く出版された受験参考書を手がかりとして、その全体像を把握し、問題形式の変遷や難易度を明らかにすることができた。「文検」合格者の教員としての力量の高さは、これまでの他教科を対象として行なわれた研究でも指摘されていたが、それを具体的な試験問題から裏付けることができた。さらに試験委員が、受験生に単なる暗記中心の受験勉強ではなく、体系的な「研究」を求めていたことが、試験問題の分析によって明らかとなってきた。 第3に、「文検国語科」受験生の学びのネットワークの存在について、それを具体的に裏付ける様々な資料を発掘することができた。『日本文学』(日本文学研究社・1931-1936)、『国漢研究』(名古屋国文学会・1929-1936)という二つの雑誌は、これまでの研究でもあまり触れられたことがなく、「文検国語科」のみならず、戦前における教員の学びの実態を知る上で、貴重な資料となると考えている。
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