研究概要 |
本研究課題は小・中学校の特別支援教育コーディネーターの役割を明確化し,校内支援を充実させるためのシステムづくりに寄与する研究を行うことが目的であった。研究初年度には通常学級担任が「学習障害,ADHD,高機能自閉症児の理解」を促進できる研修用テキストを開発した。この研究成果の一部を『気になる子どもの配慮と支援』(中央法規)として出版した。また,2年目の研究では,特別支援教育コーディネーターが校内支援体制を構築するために必要な手続き及び必要とされる専門性について分析し,まとめた。この研究の成果として『気になる子どものサポートシステム』(中央法規出版)として出版した。研究最終年度である,本年度は「学習障害,ADHD,高機能自閉症児」のみならず,通常学校において特別な教育的支援を必要とする児童生徒(視覚障害,聴覚障害,肢体不自由,知的障害,病弱等)に対する配慮事項と支援方法についてまとめ,主として「健常児」への理解教育のための教師用指導書を作成した。この教師用指導書の一部を改訂し,『障害児者へのサポート・ガイド』(中央法規出版)として出版した。3年間の研究を通して,各年度の研究テーマに関し,英国の教育事情を視察し,情報収集を行った。特に初年度および2年目に出版された2冊の著作においては,英国の教育システムをいくつか紹介し,研究成果を報告した。また,英国の通常学校に在籍する特別な教育的ニーズをもつ子どもの支援方法については,「英国のインクルージョン教育実践の現状と課題」と題する論文にまとめ,茨城大学教育実践研究に投稿,掲載された。
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