配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
今年度はM.Noriによる混合モチーフの圏の研究を行った。モチーフ理論は代数多様体に対し定義されうる全てのコホモロジー理論を統括する理論で、その存在は最初A.Grothendieckにより1960年代に予想された。その後さらに一般化された混合モチーフの圏の存在が予想され研究された。90年代に入りVoevodsky, Levine,花村により独立に混合モチーフの圏の導来圏となるべき圏が構成された。現在ではこれらの圏は全て同値である事が分かっている。一方Noriはいわゆる"Basic Lemma"を基本に、混合モチーフの圏の候補となるアーベル圏を直接構成した。代数多様体の圏からこの圏の導来圏への自然な関手も定義される。今年度はこの関手のl-進コホモロジーへの応用について研究した。成果は以下に要約される。 kをCの部分体とし、Xをk上の代数多様体とする。 f:=X→Speck を構造射とする。この時複体Rf_*Z_lは各componentがl-進コホモロジーであるような複体にD^b(Speck)において同型である。 さらに応用として非特異射影的代数多様体の代数的サイクルに対し定義される高次アーベル・ヤコビ写像の簡明な表示を得た。高次アーベルーヤコビ写像は次のように与えられる。kをCの部分体とし、Xをk上の非特異射影的代数多様体とする。CH^γ(X)を余次元γのChow群とする。この時サイクル写像cl : CH^γ(X)→H^<2γ>_<cont>(X, Z_l(γ))が定義される。H^<2γ>_<cont>(X, Z_l(γ))は連続エタールコホモロジーで、Jannsenが定義した。Hochschild-Serreスペクトル系列 E^<p, q>_2=H^p(G_k, H^q(X_<k^^->,Z_l(γ)))⇒H^<2γ>_<cont>(X, Z_l(γ)) により高次アーベル・ヤコビ写像cl^j : Ker(cl^<j-1>)→H^j(G_k, H^<2γ-j>(X_<k^^->,Z_l(γ)))が定義される。cl^2の簡明な表示を与えた。
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