研究概要 |
シュレーディンガー作用素と分数積分作用素の評価に関する研究について,特にシュレーディンガー作用素の評価に関する研究について,以下の結果を得た: V(x)を非負のポテンシャルとし,n次元ユークリッド空間上でシュレーディンガー作用素H_1=-Δ+Vおよびシュレーディンガータイプの作用素H_2=-Δ^2+V^2を考える.ここでVは非負の多項式を含むようなクラス(リバースヘルダークラス)に属するものとする.H_1に関するある評価を示し,H_2に対する基本解の評価を示した.それを用いていくつかのシュレーディンガー型作用素のL^p有界性を示し,それらのうちの1つがカルデロン・ジグムント作用素であることを示した.また,作用素H_2に関する作用素の合成の形の作用素について,L^p有界性が成り立つことを示した. 以上の結果に対して,平成16年度は大学の数学教室のセミナーにおいて概要を話すレベルであったが,平成17年度は細部まで詰めた完全な形で,日本数学会をはじめ偏微分方程式および調和解析の研究集会などにおいて,口頭発表を4件行った.それらの結果をまとめたものについては,学術雑誌に掲載が予定されている. さらに,上記のシュレーディンガー型作用素については,さらによりよい基本解の評価が得られないか,また,より高階の場合,ポテンシャルを一般化した場合,磁場作用を持つ場合等の問題があり,現在研究中である. 分数積分作用素の評価については,残念ながら新しい結果は得られなかったが,シュレーディンガー作用素への応用に関係する問題があり,現在研究中である.
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