研究課題/領域番号 |
16740088
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
大域解析学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
RALPH WILLOX (WILLOX Ralph) 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (20361610)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 可積分系 / パンルヴェ方程式 / 差分方程式 / 離散力学系 / セルオートマトン |
研究概要 |
本研究は「パンルヴェ方程式を無限次元可積分系のリダクションとして捉え、パンルヴェ方程式の解を佐藤理論における『タウ』関数と結び、リダクションに与えられる方程式のすべての対称性を得る。離散パンルヴェ方程式を体系的に構成し、それらの様々な性質を考察すること」を目的とし、それに関して本年度は以下の研究成果を得た。 1.離散パンルヴェ方程式の体系的な構成に関連して、「非対称QRT写像」と呼ばれている離散可積分系から構成できる離散パンルヴェ方程式の研究を行った。特に、非対称QRT写像の分類した後、各写像のde-autonomization(非自律化)に与えられる離散パンルヴェ方程式の性質と特徴を考察した。一つの特別な非対称QRT写像の場合には、写像の非自律化によって新しい離散パンルヴェ方程式が得られた。この方程式の最大の非自律的な拡張やその拡張の代数的な特徴づけは今後の重要な研究課題であると思われている。 2.連続の可積分系に関して、KR階層のリダクションとして得られた1+1次元可積分系のsymmetriesを生成するrecursion operatorやそれに対応するbi-Hamiltonian表現を与える構成的方法を提案し、この方法をいくつかの実例に適用した。 3.連続可積分系の可積分な離散化を行うときに有効である有理写像の構成方法を人体における免疫反応を記述する連続模型に適用した。この方法で得られた離散力学系のシミュレーションにより、提案された免疫反応の模型が示すdynamicsを分析し、模型に現れるパラメータが適当な値をとるとき、離散系と連続系がどちらもlimit cycleを持つことを示した。さらに、この方法で得られた有理写像の超離散化により、連続模型に対応するセルオートマトンを構成し、このセルオートマトンにもlimit cycleが存在することを示した。これらの結果を発表する論文は現在印刷中である。
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