研究課題/領域番号 |
16740127
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
飯島 北斗 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門・ERL光量子源開発研究グループ, 任期付研究員 (90361534)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 電子線形加速器 / フォトカソードRF電子銃 / Velocity Bunching / パルス圧縮 / 自由電子レーザー / 医療用加速器 |
研究概要 |
速度集群(Velocity Bunching)は、イタリア・ミラノ大学のLuca Serafini教授が2000年に提唱した新しい電子パルスの圧縮方式である。特徴は、MeVオーダーの電子ビームを従来の磁気圧縮を用いずに加速管内で庄縮するところにある。このため根本的にSynchrotron Radiation(SR)、Coherent Synchrotron Radiation(CSR)によるエミッタンスの増加は起こらず、レーザーコンプトン散乱や自由電子レーザー(FEL)における高品質電子線パルス発生に対し極めて有効な手法であるが、実証例は少なかった。 本研究では東京大学・ライナック研究施設に設置されているフォトカソードRF電子銃を用いた18MeVリニアックを用いて、速度集群による圧縮を実証した。この際、圧縮された電子のパルス幅はフェムト秒ストリークカメラを用いて計測した。結果は電荷量1nCに対し、05±0.1psec(rms)であった。これは従来の磁気型パルス圧縮器の性能と同等である。このときのビームエネルギーは10MeV弱であった。また、エミッタンスは20πmm・mradで保持され増大はなかった。 今回の実験パラメーターは東大18MeVリニアック固有のものであるが、おおよそ医療用加速器が要求するパラメーターを反映しており、医療への応用は十分に期待できるといえる。また、速度集群によるエネルギー拡がりは、同じ最終エネルギーを想定すると、通常の磁気パルス圧縮のそれよりも小さいため、エネルギー回収型の加速器にも有利であることをシミュレーションで示した。
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