研究課題/領域番号 |
16740147
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
石川 健一 広島大学, 大学院理学研究科, 助教授 (60334041)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 格子QCD / モンテカルロアルゴリズム / 数値計算 |
研究概要 |
本年度はUV-フィルター前処理付多項式ハイブリッドモンテカルロ法(UV-PHMC法)のより現実的なパラメータでの性能の評価を行なった。 用いた格子は、16^3x48で格子間隔は約0.2fmである。ダイナミカルクォークの数は2(2フレーバー)で、クォーク質量は、パイ中間子ロー中間子質量比で0.7〜0.8に相当するものを用いた。これらのパラメータは、現実的な問題を行なうのに必要十分な計算量のものである。 UV-PHMC法のパラメータには、UV-フィルターのパラメータがあるが、これを調節することで、アルゴリズムの効率が変化する。最も効率が良くなる点で、UV-フィルター無しの場合と効率を比較した。その結果、最も効率の良い点では、分子動力学法のダイナミカルクォークからの力の寄与が約3分の1になっていることが分かった。この結果、分子動力学法の積分ステップサイズを大きくとる事が出来る様になり、分子動力学法を1トラジェクトリー進めるのに必要な計算量が、約半分になった。この結果全体として、UV-PHMC法は、UV-フィルターなしの場合に比べて、計算時間が約半分になり、効率が2倍良くなった。これらの効率の改善は、調べたクォーク質量の範囲ではほぼ一定であった。これらの結果は国際会議Lattice 2006で発表された。 以上のようなUV-PHMC法の有効性が示されたので、これをLuescherの領域分割HMC法と組み合わせて3フレーバーのダイナミカル格子QCDアルゴリズムを作成した。このアルゴリズムの予備的実験を、筑波大学を中心とするPACS-CSグループと共同で行なった。予備的実験の結果は、日本物理学会2006年秋季大会で発表した。
|