研究課題/領域番号 |
16740172
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
首藤 健一 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (40300876)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 半導体 / シリコン / 表面 / ハロゲン / 脱離 / レーザー / X線 / エッチング / 光励起 / 超短パルスレーザー / 構造変化 / 非平衡 |
研究概要 |
半導体の表面の加工を行うときに、光を照射させて特定の電子状態のみの励起で選択的な反応を引き起こして表面構造を制御できる可能性が有る。今後需要があると期待される原子レベルでの微細構造の生ずる反応機構、特に電子励起のエネルギー伝搬の観点から研究を行った。半導体加工で一般的なハロゲンを吸着したシリコン表面からのエッチング過程を光刺激脱離の直接計測によって実測した。 ピコ秒程度の時間幅を持つ超短パルスレーザー光をハロゲン吸着シリコン表面に照射し、脱離などの表面の結合状態の変化を誘起した。その脱離効率の測定を行い、基板および表面の電子励起から脱離のエネルギーへの変換の過程に関して以下の事柄を明らかにした。 -赤外線(λ=800[nm])を照射したときに基板の電子の励起で表面の構造が変化する事を明らかにした。 -近紫外(λ=400[nm])のパルスレーザーを用いたときに生ずる脱離生成物の飛行時間を測定し、その分布から、励起電子が表面の原子の移動(構造変化ないし脱離)を誘起する過程が二つ有る事が判明した。また、脱離量の強度依存性が非線形で有った事から、これらの過程が多重励起で引き起こされる事を示唆した。 -塩素吸着表面で近紫外(λ=400[nm])のパルスレーザーを照射したときには、脱離種はSiCl_2,SiClの2種類が有り、それぞれは表面のアドアトム及びレストアトムと呼ばれるサイトのシリコンに由来している事を示唆した。 以上の実験結果を踏まえて、 -真空内部の試料の位置制御を遠隔操作で精密に行えるようにし、超高真空槽にベリリウム窓を取り付け、基板の吸収端および表面吸着物の吸収端付近の波長でX線を照射した。内殻励起の光反応を誘起した脱離を計測したが、表面での局所的な励起の痕跡が無かった。断面積が小さい為に表面に強く化学吸着したハロゲンを効率良く脱離させる事は出来ない事が判明した。
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