研究概要 |
1.平成17年度には以下のような実験,発表を行った. (1)有機導体θ-BEDT-TTF_2CsZn(SCN)_4について放射光を用いたパルス電流下での低温X線回折実験法による散漫散乱測定を行い、電流に伴う構造変化の兆候を観測した. (2)電荷秩序物質・有機導体θ-BEDT-TTF_2RbCo(SCN)_4についてX線回折実験法により超格子構造を含めた低温単結晶構造解析を行い低温構造と電荷秩序の空間パターンについて明らかにした. (3)有機導体α'-BEDT-TTF_2IBrClについてX線回折実験法により相転移温度の上下の温度領域で単結晶構造解析を行い、構造相転移に伴う分子変位について明らかにした. (4)有機Mott絶縁体β'-BEDT-TTF_2ICl_2のh体の低温結晶構造解析とスピン密度分布解析を中性子回折実験の手法を用いて行った. (5)上記(1)の結果に関して物理学会(2005秋,2006春)で発表した. (6)上記(2)の結果に関してoriginal論文を発表した. (7)上記(3)の結果に関して国際会議(ISCOM2005)で発表した. 2.以下の装置を改良した. (1)圧力下結晶構造解析のためのピストンシリンダー型圧力セルと高圧加圧装置についてテスト実験を行い、目標の圧力とX線透過能を達成するため構成部品の形状などに改良を加えた. (2)ダイアモンドアンビル圧力セルについてテスト実験を行い、開口角の確保と小型化を両立するため構成部品の形状などに改良を加えた.
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