研究課題/領域番号 |
16740191
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
徳永 将史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50300885)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | マンガン酸化物 / 相分離 / 磁気光学イメージング / 巨大磁気抵抗効果 |
研究概要 |
ある種のマンガン酸化物では強磁性金属相と反強磁性(または常磁性)電荷整列絶縁体相との共存する相分離状態が実現されることが知られている。我々は以前の研究で、この状態におけるパーコレーション的伝導経路の可視化に成功し、それが輸送電流増大によって均一伝導に変化する事を見いだした。今年度は、この相分離状態における伝導の電流・電圧による制御を主に研究し、応用的にも興味深いと思われる幾つかの現象を発見した。 第一に、相分離状態にあるマンガン酸化物を電流印加で均一伝導にする。その後の電流減少によって系を過冷却の電荷固体状態にもっていくと弱い外部磁場が引き金となって急峻な電荷の固体-液体転移による絶縁体-金属転移が実現できる。この効果を利用して通常数テスラの磁場を必要とする巨大磁気抵抗効果の動作磁場を数十分の1にする手法を示した。 また相分離状態の転移転近傍で、試料に一定電圧を印加すると電流の発振が生じることを発見した。輸送特性の測定と同時に行った偏光顕微鏡による実空間イメージングを通して、電流発振現象が局所的な金属-絶縁体転移によって起こっていることを明らかにした。 一方で超伝導体に関する研究として、磁気光学イメージング用インジケーター膜上に超伝導膜を成長し、「磁束収縮効果」を用いて同手法による単一磁束量子の可視化に成功した。この成功は様々な超伝導体における磁束配列観察を可能にするとともに、今後のサブミクロンイメージングの第一歩となる研究として位置づけられる。
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