研究課題/領域番号 |
16740192
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮坂 茂樹 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70345106)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 軌道自由度 / ペロブスカイト / バナジウム酸化物 / ラマン散乱 / 軌道波 / 2-orbiton / 軌道の自由度 / two-orbiton |
研究概要 |
本年度は、LaVO_3とNdVO_3においおて行われたラマン散乱の実験を元に、他のRVO_3や本系にホールドープしたR_<1-x>A_xVO_3(R:希土類元素、 A:アルカリ土類元素)における軌道波励起のラマン散乱分光による観測を行った。同時に、中性子散乱によるマグノンやフォノンの分散関係の観測を行い、ラマン散乱から得られた各々の素励起との比較を行った。まず、RVO_3の一つであるYVO_3においては、LaVO_3などのC型磁気G型軌道秩序相において観測された軌道波(2-orbiton)励起がラマン散乱の手法により観測された。これらのことは、軌道波励起が本系において普遍的に存在するものであり、この励起現象がこれまで考えていた2-orbiton共鳴ラマンプロセスにより説明可能であることを示唆している。YVO_3のもう一つの軌道秩序、C型軌道秩序相では軌道波による信号は観測されず、一方で2-マグノンによるラマンバンドが観測された。この2-マグノンバンドが見積もられる磁気的な交換相互作用のエネルギーは、中性子散乱実験により見積もられたものと良く一致している。R_<1-x>A_xVO_3においては、ホールドーピングとともに軌道波励起のエネルギーは変化せず、その強度のみが減少する。これは、軌道波励起のエネルギーが、古典的なヤーンテラー歪により決定されており、少量のホールドーピングではヤーンテラー歪の効果が残存することを意味している。
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