研究課題/領域番号 |
16740196
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 九州大学 (2005-2006) 富山大学 (2004) |
研究代表者 |
光田 暁弘 九州大学, 理学研究院, 助教授 (20334708)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | イッテルビウム化合物 / 価数転移 / 重い電子系 / 圧力下物性測定 / 圧力誘起相転移 / 高圧実験 |
研究概要 |
本年度の研究実績は以下の通りである。 (1)これまで研究を行ってきた重い電子系化合物立法晶YbCu_5について、新潟大学との共同研究によってより高圧力下(最大8GPa)で電気抵抗ρの測定を行った。これまでの3GPaまでのρは圧力依存性が小さかったが、3GPa以上で圧力依存性が大きくなる傾向が見られた。通常、圧力依存性は低圧力領域で大きく、高圧力領域で小さくなるので、逆の振舞である。よって何らかの相転移や異常が起こっていると期待される。また、加圧とともにρの-logT的な振舞が顕著になり、ブロードな山が成長してくる。最低温領域におけるT^2に比例する振舞は、加圧とともにその係数Aが大きくなり、T^2に乗る温度領域が低温部分に限定されてくる傾向が見られた。従って、徐々に伝導電子の有効質量が増強されており、非フェルミ液体的な振舞に近づいているように見える。 (2)(1)の実験で観測された高圧力領域での大きな圧力依存性についての知見を得るため、最高圧力10GPa、最低温度10Kの粉末X線回折をSPring-8 BL10XUで行った。3GPa前後で構造相転移などの異常は見られず、格子定数も滑らかに変化している。構造の観点からは3GPa付近に異常は見られなかった。 (3)重い電子系・価数揺動系の新しいYb化合物を探索することを目的として、様々な化合物の育成に挑戦した。その中で、Yb_2Ni_<12>P_7の単結晶育成に成功した。従来の多結晶試料に比べ、不純物の量が少ない物質が得られた。 (4)価数転移物質YbInCu_4の圧力誘起強磁性について調べることを目的として、同構造で常圧下でも強磁性であるYbInNi_4に注目し、YbのY置換による強磁性に及ぼす影響を調べた。Y置換とともにYbあたりの磁気モーメントが小さくなり、キュリー点が低下する振舞が観測された。YbInCu_4の強磁性とよく似た振舞である。
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