研究課題/領域番号 |
16740200
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
水戸 毅 神戸大学, 理学部, 助手 (70335420)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | イッテルビウム化合物 / 高圧 / 核磁気共鳴(NMR) / 強相関電子系 / 重い電子 / 圧力誘起磁気秩序 / 量子臨界 |
研究概要 |
本研究では、Yb化合物における強相関電子物性、特にf電子の「遍歴性」⇔「局在性」を圧力によって制御し、両者の臨界領域を調べること、また新たな物性の探索を行うことである。以下に主な研究業績を列記する。 1.YbInCu_4の高圧磁気秩序相の研究 YbInCu_4は、我々の研究によって2.4GPa以上の高圧下において磁気秩序状態を基底状態に持つことが分かっている。この高圧相の詳細を調べるため、超高圧下帯磁率測定(大阪大学工作センターとの共同研究)、高圧下NMR(核磁気共鳴)測定を行った。帯磁率測定は27GPaの超高圧下まで行われ、初めて高圧相における強磁性秩序の直接的な実験的証拠が得られた。また、強磁性転移温度の圧力依存性は小さいが、9GPa付近で構造相転移に起因すると思われる異常が観測された(現在論文投稿準備中)。現在、超高圧下でのX線測定によって構造相転移の確認を行っている。また、高圧下NMRにより、強磁性相転移は圧力に対して一次相転移であり、高圧下相においてf電子は局在性の強い状態にあることが分かった。 2.YbCuCu_4の圧力効果の研究 YbCuCu_4はYbXCu_4物質群の中で最も電子比熱係数が大きい重い電子系物質である。この物質について高圧下NMR測定を行い、圧力の増加によってf電子はより局在性を増し、有効質量が増すことが分かった。また、4.1GPaまでの電気抵抗測定(T>60mK)を行い(岡山大学理学部との共同研究)、圧力の増加につれてFermi液体として振舞う温度領域が低温側に狭まり、「遍歴性」⇔「局在性」の臨界圧力が4〜5GPaの範囲にあると予測される(現在論文投稿準備中)。
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