研究課題/領域番号 |
16740229
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
長峯 祐子 独立行政法人理化学研究所, 局所時空間機能研究チーム, 研究員 (50344049)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 時空間パターン / 銀 / アンチモン / 硫黄 / 縞 / 電極 / 電着膜 / 固体電解質 / 縞構造 / EPMA / 元素濃度 / 相分離 / 対流 / 吸着 |
研究概要 |
銀とアンチモンを溶かした水溶液に金属電極を挿入し、この金属電極表面上に、水溶液に溶けている銀とアンチモンを電気吸着させ、銀とアンチモンの電着膜を電極表面上に形成させる。その際、その電着膜表面に白と黒からなる時空間パターンが観察できる。この時空間パターンは、10μm程度の幅の、銀リッチな白い縞とアンチモンリッチな黒い縞から形成されており、電極表面に銀とアンチモンの電気吸着が続く限り、1μm/s程度の速さで動き続ける。この時空間パターンの形成メカニズムは現在明らかにされていない。 前年度は、電着膜表面に観察できる時空間パターンの白と黒の縞の導伝率を正確に測定するために、まず時空間パターン下の状態を調査した。その結果、パターン下には、表面とは全く違う元素濃度を持つ均一な電着膜相が存在することがわかった。今年度はそのパターン下に存在する相をEPMA(Electron Probe MicroAnalyzer)を用いてさらに詳しく調べたところ、その均一電着膜相には「銀」、「アンチモン」、「硫黄」が含まれることがわかった。この「硫黄」は、銀、アンチモンを溶かしている水溶液に一緒に加えておいたチオシアン酸カリウムの硫黄が、銀、アンチモンの電極吸着とともに一緒に吸着し、この相に含まれたと考えられる。 数少ない文献には「銀」、「アンチモン」、「硫黄」の化合物である「硫化銀アンチモン」はイオンが固体中を伝導できる固体電解質であると記されている。パターン下に存在するの均一電着膜相はこの「硫化銀アンチモン」である可能性が高い。このことは固体電解質内のイオンの動的な性質が、銀とアンチモンの時空間パターンの動的性質に関与している可能性を示している。
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