研究課題/領域番号 |
16740237
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ
|
研究機関 | 分子科学研究所 (2005) 独立行政法人理化学研究所 (2004) |
研究代表者 |
長谷川 宗良 分子科学研究所, 電子構造研究系, 助手 (20373350)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | 高次高調波 / 軟X線 / 非線形現象 / 強光子場 / 2光子2重イオン化 / 自己相関法 |
研究概要 |
軟X線領域(λ<30nm)において非常に大きな強度(10^<14>W/cm^2)を持つ高次高調波と物質の相互作用を調べることは、強光子場下における新奇な現象を発見するという興味に加えて、光源である高次高調波自体をキャラクタリゼーションする上で重要である。特に高次高調波は、その広い周波数帯域からアト秒パルスを発生する事が可能であり、そのパルス幅を直接計測する事が求められている。しかし、時間幅が非常に短いためその計測においては非線形現象を用いた相関法で測定する以外になく、強度の弱い光源ではパルス幅を直接計測出来ていなかった。昨年度に、我々は高強度の高次高調波を用いることによって世界で初めて軟X線領域における非線形光学現象を観測した。この観測にもとづき、本年度はこの非線形現象を利用して電子分光法を用いた高次高調波のパルス幅の計測を行った。具体的には、高次高調波(11〜15次)を用いてヘリウムおよびアルゴン原子の非線形過程を電子分光装置を用いて観測し、この非線形現象を用いて、高次高調波のパルス幅の計測を行った。本研究で用いた飛行時間型の電子分光装置ではイオンの計測に比べて捕集効率が落ちるため、軟X線ではなく、強度の強い波長60nm近傍の高次高調波を光源として使用した。 観測されたパルス幅は、おおよそ30fs程度のものが得られたが、これは高次高調波を発生させる基本波のパルス幅が23fsであるためだと思われる。また時間的な分解能を向上させることによって、高次高調波のパルスにはさらにパルス構造があり、それらのパルス幅が450asであることが明らかとなった。これらの結果は、今後の発展が期待されるアト秒科学の分野において、光のパルス幅の直接計測を行う上で大きな寄与をするものである。
|