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生物攪乱の影響を受けない堆積速度測定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16740290
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 地質学
研究機関独立行政法人海洋研究開発機構

研究代表者

小栗 一将  独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (10359177)

研究期間 (年度) 2004 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
キーワード^<210>Pb法 / インベントリーモデル / ^<137>Cs濃度 / 生物撹乱 / 海底現場観測装置 / 無酸素海洋 / 鉛210法 / 現場型海底観測装置 / 堆積過程
研究概要

^<210>Pb法は、数十年〜百年スケールの堆積速度の算出に広く用いられている手法である。しかしながら、生物撹乱や鉛粒子の拡散に伴い、^<14>C濃度などによって測定された結果よりも速い値が見積もられるという問題も指摘されてきた。この問題に応えるために、堆積物中における^<210>Pbの総量から計算される壊変速度と水中からの^<210>Pbフラックスがバランスすることに基づいた、インベントリーモデル(wP=λΣ,w:沈降粒子の^<210>Pb濃度、P:堆積速度、λ:壊変定数、Σ:過剰^<210>Pbインベントリー)を提唱した。このモデルを検証するため、九州、上甑島貝池で堆積物を採取し、過剰型^<210>Pbプロファイルから求める堆積速度と、インベントリーモデルによって計算される堆積速度の比較を試みた。貝池をフィールドに選んだ理由は、湖底は一年を通して無酸素環境であることが知られており、生物による堆積物の撹乱が無いと考えられるためである。インベントリーモデルを滴用するには、水柱の沈降粒子の^<210>Pb濃度を知る必要があるため、本研究では湖水の大量濾過を行い、感度の高いβ線計測法によって沈降粒子の濃度測定を試みた。しかしながら、^<210>Pb濃度は予想以上に低く、検出器のバックグランドを上回る値を得ることが出来なかった。このため従来法と、^<137>Cs濃度の比較に加え、これまでに測定された堆積物中の有機炭素の^<14>C濃度分布の比較を行い、^<210>Pb法の妥当性を評価した。^<210>Pb法によって測定された堆積速度は、0.42cm/年となり、^<137>Cs濃度の核実験ピーク(1963年)から推測される堆積速度(0.42〜0.5cm/年)と一致した。有機炭素の^<14>C濃度プロファイルからは、深さ17cm〜23cmの間に核実験起源の^<14>Cが検出された。この間に地上核実験が始まった1953年があるとすると、堆積速度は0.33〜0.43cm/年と推測されるが、この値は^<210>Pb法、^<137>Cs濃度分布からの結果と調和的である。以上の結果から、生物撹乱が生じない環境では、^<210>Pb法を用いた堆積速度は信頼できることが示唆された。
本研究では、堆積速度の測定と検討だけでなく、実際の湖底に海底現場観測装置を設置し、長期間の現場観測も行った。この装置は耐圧容器に組み込んだタイマーとデジタルカメラが自動的に海底現場を定期撮影するもので、貝池では、水中に生息する紅色硫黄バクテリアがマリンスノーを作り、大量に堆積していることが知られているが、今回の観測により、マリンスノーは時として幅1cm、長さ10cm以上の巨大粒子となること、一月で湖底に設置したスケールが全く見えなくなるほどの量が堆積していることが明らかになった。種々の堆積速度測定法と本装置を組み合わせることによって、より正確な堆積速度の測定や、堆積場の直接的な検証が可能になることが明らかになった。

報告書

(2件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 九州、上甑島貝池の堆積過程と堆積速度について2005

    • 著者名/発表者名
      小栗一将
    • 雑誌名

      日本地質学会第112年学術大会講演要旨

      ページ: 106-106

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2016-04-21  

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