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有孔虫殻のMg/Ca微小分布マッピングによる水温の日較差・季節変動解読の試み

研究課題

研究課題/領域番号 16740294
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 層位・古生物学
研究機関独立行政法人海洋研究開発機構

研究代表者

豊福 高志  独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (30371719)

研究期間 (年度) 2004 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワード底生有孔虫 / Mg / Ca水温計 / 飼育実験 / 元素マッピング / バイオミネラリゼーション / EPMA / 水温変動 / 季節変化 / 水温履歴
研究概要

本研究は,過去の水温の季節変化・日較差を復元するために,安定した条件下で有孔虫の飼育実験を行い,殻中のマグネシウム(Mg)含有量の微小分布を測定し,石灰化中の水温条件が元素の分布に与える影響を明らかにすることを目的とした.
実験室内で水温を10〜23℃の3条件設定し成長させ,飼育試料と野外で成長した天然試料のマグネシウムとカルシウムの含有量をEPMAを用いて定量した.飼育水温が高いほど有孔虫殻のMg/Caの平均値が高い値を示し,両者間には一次式で近似できる相関関係が観察された.天然の試料ではチャンバー毎に平均値が異なった.チャンバー毎のMg/Caの平均値の変化は,現場で記録された水温変動と一致した.これは,有孔虫殻のチャンバー毎のMg/Caの平均値は水温の時系列的な変化を記録していることを示している.
飼育・天然の両試料において,微小部位毎のMg/Caは大きくばらついた.飼育試料のMg/Caの変位を水温の変動に換算すると20℃に相当する.また天然試料の方が変位が大きかった.実験室内では水温を一定に保っているにもかかわらずMg/Caの変位があるのは,ばらつきが水温によるものではないことを示唆している.変位の空間分布はモザイク状で,系統的な濃度勾配は見られなかった.
顕微鏡下でチャンバーフォーメーションを観察したところ,石灰化は殻全体で一様に進行するわけではないことがわかった.石灰化の過程で細胞内のpHや母液のMg/Caが変化したと考えれば,Mg/Caの分布が一様でないことを説明できる.天然の試料のほうが変位が大きいことは,現場の水温変動の影響も被っているためと考えられる.すなわち,有孔虫殻のMg/Caの変位は細胞内の環境と周囲の水温の双方の影響を受けるのである.実験室内の観察によれば,有孔虫は数時間から半日かけて新しいチャンバーの形を整え,その後数日間石灰化がつづく.もし種毎の固有のMg/Caの変位がわかれば,石灰化の間の水温の変化の大きさを読みとることができる.

報告書

(2件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Micromapping of Mg/Ca values in culutred specimens of the high-magnesium benthic foraminifera2005

    • 著者名/発表者名
      Toyofuku, T., Kitazato, H.
    • 雑誌名

      Geochem.Geophys.Geosyst. 6

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] Mg/Ca ratio in the shells of cultured and natural population of marine Ostracode Xestoleberis hanaii (Crustacea)2005

    • 著者名/発表者名
      Kondo, H., Toyofuku, T., Ikeya, N.
    • 雑誌名

      Palaeogeography Palaeoclimatology Palaeoecology 225

      ページ: 3-13

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2016-04-21  

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