研究概要 |
1.南極ナピア岩体に産する珪長質の超高温変成岩中の長石微細組織を用いた変成条件の解析とジルコン、モナザイト、アパタイトといった副次鉱物の組織観察をおこない、長石結晶のコアーリムの組成変化が超高温変成作用時に生成したメルトとの相互作用によるものである可能性ならびにアパタイト結晶の分解による二次的なモナザイトの成長等を見いだし、今後の微量元素分析ならびに年代測定のための基礎情報を得た。 2.オーストラリア南極観測隊に参加して、南極プリッツ湾地域での超高温変成岩類の地質調査と副次鉱物の年代測定と微量元素分配解析用の岩石試料採取をおこなった。 3.研究成果のとりまとめとして、以下の国際学会での研究発表(2件)と学術誌への英文論文の公表(3件)をおこなった: ・第19回国際鉱物学会IMA2006(神戸市、2006年7月)において、南極ナピア岩体産超高温変成岩試料中から見いだしたペリエライトの産状・化学的特徴とその意義についての研究発表をおこなった(本科研費による出張)。また、その内容を英文論文として公表した(Hokada,2007)。 ・第16回ゴールドシュミット会議i(メルボルン、2006年8月)において、ナピア岩体に産する珪長質片麻岩中の長石微細組織から得られた変成プロセスならびに副次鉱物の挙動に関する研究発表1をおこなった(極地研究所プロジェクト研究費による出張)。また、長石微細組織を用いた超高温変成作用の解析結果に関する内容を英文論文として公表した(Hokada&Suzuki,2006)。 ・電子線マイクロプローブを用いたモナザイトU-Pb年代測定の分析手法ならびに南極産高温〜超高温変成岩試料の年代データを英文論文として公表した(Hokada&Motoyosi,2006)。
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