研究概要 |
1.溶存CQ及び軽炭化水素類抽出システムの確立 初年度(平成16年度)に溶存CO及び軽炭化水素類抽出システムを確立し、海水中のCOや一部の軽炭化水素類(アルカン)の炭素同位体比定量に初めて成功し、それらの海洋における生成・消滅のメカニズムに関する新たな知見を得ることができた。しかし、塩花メチル等一部の炭化永素類については回収効率等に問題があったため、平成17年度はまず抽出システムの改造を行った。その結果、塩化メチルを含めた軽炭化水素類の回収率を上げることに成功し、これまで困難であった海水中の軽炭化水素類(塩化ヌチル、アルカン、アルケン類)の炭素同位体比定量を可能にすることができた。 2.沿岸域及び外洋観測 7月に北海道大学臨海実験施設を用いて、沿岸域における軽炭化水素類の濃度及び炭素安定同位体比の日変動を調べた。また、10月に海洋研究開発機構の淡青丸KT05-26次調査航海に参加し、外洋(太平洋亜熱帯域)におけるCO及び軽炭化水素類の濃度及び炭素安定同位体比分布を調べ、さらに実験室での植物プランクトンの培養実験を行1、それらの結果を合わせてCO及び軽炭化水素類の深度別の生成および消滅メカニズムについて考察した。これらの成果については、学会やシンポジウムに参加し成果発表を行った。主な2件を以下に示す。 連続フロー型質量全析計を用いた海洋溶存塩化メチルの炭素安定同位体比定量の開発, 小松大祐・山口潤子・古用啓介・中角書子・亀山宗彦・笹川基樹・角皆潤 2005年度日本地球化学会第52回年会,2005年9月26-28日,沖縄 単離培養海洋性藻類から放出される非メタン炭化水素の相対組成および炭素同位体組成の定量 井尻暁・小松大祐・山口潤子・河村裕・山口愛果・田村舞子・堀口建雄・中川書子・角皆潤 2005年度日本地球化学会第52回年会,2005年9月26-28日,沖縄 3.論文執筆 Stable carbon isotopic compositions of dissolved non-methane hydrocarbons and methyl chloride in seawater Daisuke D.Komatsu, Keisuke Furumochi, Junko Yamaguchi, Fumiko Nakagawa, Urumu Tsunogai Limnology and oceanography : methodsに投稿中 Ocean as a source of^<13>C-depleted CO into the atmosphere Fumiko Nakagawa^1,Urumu Tsunogai^1,Toshitaka Gamo^1 論文執筆中(Geophysical Research Lettersに投稿予定)
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