研究課題/領域番号 |
16750012
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中尾 嘉秀 京都大学, 工学研究科, 助手 (40362462)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 局在化軌道 / 大規模分子 / 摂動論 / 電子相関 / 電子状態理論 / 量子化学 / 大規模分子系 / Local MP2法 / 分子間力 / 並列化プログラム / Moller-Plesset2次摂動法 |
研究概要 |
大規模分子系に対する高精度理論計算は、分子サイズの5乗以上に依存して計算コストが増大するために非常に困難である。そこで、局在化軌道を用いた電子状態理論が動的電子相関を低コストで効率的に取り込むことができるため、近年興味が持たれている。本来、動的電子相関は電子同士の近接効果から生じるため、分子全体に拡がった軌道より局在化した軌道を用いた方が効率的に取り込める。本研究では局在化軌道を用いたMoller-Plesset2次摂動法(Local MP2法)とその並列化プログラムの開発とその応用を行った。電子相関を見積もる際に、電子相関の局所性を利用してoccupied軌道から近接するvirtual軌道にのみ電子を励起させる。この際に、occupied軌道から2.OÅ離れたvirtual軌道までを含めた結果、タキソールで10%程度のvirtual軌道を用いるだけで電子相関の約98%を見積もり、計算時間は通常のcanonical MP2法の10分の1以下となり、非常に効率よく電子相関を取り込むことができた。その他の分子に対しても、通常のcanonical MP2法の98〜99%の電子相関を見積もることが明らかになった。しかしながら、現状の方法では電子相関を取り込む有効領域のサイズの変化が起きる場合に、滑らかなポテンシャル面を描くことは難しく、0.001 hartree程度の不連続となる面が生じる問題があり、依然として改良の余地が残っている。また、本研究で開発されたプログラムは完全に並列化されており、2000基底を含む分子系まで適用が可能である。局在化軌道を用いた摂動法の理論と並列化プログラムの開発により、大規模分子系への高精度理論計算の道を拓いた。
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