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ケイ素橋頭位化合物の構造特性を活用した新規導電性高分子の開発に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 16750026
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 有機化学
研究機関埼玉大学

研究代表者

幡野 健  埼玉大学, 理工学研究科, 講師 (40332316)

研究期間 (年度) 2004 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワードケイ素橋頭位化合物 / 分子軌道計算 / 電子構造 / ジシラビシクロ-[2.2.2]-オクタン / トリアニオン / 導電性高分子
研究概要

目的とする高分子のモノマーとなるケイ素橋頭位化合物群の電子構造について分子軌道法を用いて求めた。分子起動計算の対象とした化合物は、橋頭位の2つのケイ素間を繋ぐ構造として、1,4-ジシラビシクロ-[2.2.2]-オクタン(1)、9,10-ジシラトリプチセン(2)、1,4-ジシラバレレン(3)を選んだ。これらのケイ素橋頭位化合物群では、2つの橋頭位ケイ素とその橋渡しをする架橋部分の構造がSi-C-C-Siである共通点を持っている。一方、そのSi-C-C-Siのうち中心のC-C結合は、1では単結合、2では1.5重結合、3では2重結合となっており、C-C間の結合距離は多重度の増加に伴い減少する相違点がである。1-3の最適構造を分子軌道計算法を用いて行なった結果、橋頭位の2つのケイ素間の距離は、1では2.780Å、2では2.858Å、そして3では2.804Åと1がもっとも短く、反結合性軌道のS*_<Si>の電子的な相互作用が最も多いと期待されることが分かった。これは、2、および3ではSi-C-C-Siの炭素原子はsp^2混成軌道をしており、∠Si-C-Cは120度であるのに対し、1では炭素がsp^3混成軌道をしているため∠Si-C-Cは109度と狭まく、橋頭位ケイ素同士が空間的に近寄ることが可能になっていると考察することができる。分子軌道法を用いた理論計算では、橋頭位ケイ素間の空間を介した電子的な相互作用は1の場合最も効率がよいことが示唆され、1をモノマーとする高分子を目的化合物として決定するに至った。
ジシラビシクロ-[2.2.2]-オクタン(1)の合成方法としてはいくつか考えられるが、今回我々はトリ(2-リチオエチル)シラン類とトリクロロシラン類との環化反応により合成する経路の検討を行った。フェニルトリクロロシランとビニルグリニャール試薬との反応により、まずフェニルトリビニルシランを高収率で得ることができた。次に、末端オレフィンの官能基化を試みた。まず、得られたフェニルトリビニルシランのオレフィンに対し、末端選択的なハイドロボレーション反応を行った。オレフィンに対し末端選択的にハイドロシリル化反応することが知られているジシクロヘキシルボランを用いてハイドロボレーション反応を試みた。しかしこの場合には、末端選択性はさほど良いものではないことが、その後の反応性生物の解析により分かった。そこで、更なる末端選択性の向上を期待して、より嵩高いヒドロボラン試薬であるイソピノカンフェニルボラン(Ipc_2BH)を用いて同様の反応を行った。その結果、末端選択的にハイドロボレーションしていることが、その次の加水分解性生物の解析により分かった。次に、加水分解性生物であるトリ(2-ヒドロオキシエチル)フェニルシランのメシルクロライドによるメシル化、臭化ナトリウムによる臭素化を行い前駆体であるトリ(2-ブロモエチル)フェニルシランを良好な収率で得ることに成功した。続いて、この末端臭素体のリチオ化を-78℃においてリチウムナフタレニドを用いて行った。この反応条件におけるトリアニオンの発生の確認は、トリメチルクロロシランによる補則実験で行った。そこで、実際にこのトリアニオンとトリクロロシランとの反応により、目的とするジシラビシクロ-[2.2.2]-オクタン誘導体の合成を試みた。その結果、目的物は少量ではあるが生成していることが分かった。

報告書

(3件)
  • 2006 実績報告書
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書

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公開日: 2004-04-01   更新日: 2016-04-21  

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