研究課題/領域番号 |
16750077
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
八谷 巌 三重大学, 工学部, 助教授 (50312038)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | アルキニルイミン / シクロブテノン / マロン酸エステル / β-ケトエステル / シアノ酢酸エステル / 中員環 / 生理活性化合物 / ビシクロ-2-ピリドン / イミン / 共役付加反応 / 2-ピリドン / イミノピリジン / ケチミン / 環拡大 / シクロアルケノン |
研究概要 |
三重結合を持つアルキニルイミンに置換基を有するマロン酸エステルのナトリウム塩を作用させたとき、共役付加反応が進行した後、分子内求核付加反応が進行することにより生じたシクロブテノンの開環反応を経由することによって、5位にエステル基を有する2-ピリドンが得られることを見出している。この従来にはない反応機構に着目し、マロン酸エステル、β-ケトエステル、またはシアノ酢酸エステルを求核剤に用いるアルキニルイミンへの共役付加反応により、4員環を経由する新規合成反応を開発できるのではないかと考え検討した結果、多置換2-ピリドンおよび環拡大反応による中員環を合成することができたので、これらを鍵反応に用い、生理活性化合物である、降血圧作用を示す薬のリード化合物である(-)-A58365A、(-)-A58365Bおよび抗癌作用が期待されるセスキテルペンラクトン(+)-Asteriscanolideの全合成を検討した。(-)-A58365Aおよび(-)-A58365Bの全合成検討においては、鍵反応である2-ピリドン合成反応が円滑に進行し良好な収率で必要な炭素骨格を有する中間体である多置換2-ピリドンが得られることを明らかにした。また、(+)-Asteriscanolideの全合成検討においても、鍵反応である環拡大反応により中間体であるシクロオクテノンが高収率で得られることを見出した。現在、それぞれの中間体からの(-)-A58365A、(-)-A58365Bおよび(+)-Asteriscanolideへの誘導を検討している。 一方、アルキニルイミン等価体として、アルキニルピリジン、アルキニルピリミジン、またはアルキニルチアゾールにマロン酸エステルのナトリウム塩を反応させることによって、ピリドン骨格を有する二環性化合物、すなわちビシクロ-2-ピリドンが良好な収率で得られることも明らかにした。
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