研究課題/領域番号 |
16750142
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生体関連化学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
白木 賢太郎 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (90334797)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2005年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | タンパク質凝集 / ミスフォールディング / フォールディング / リゾチーム / コンカナバリンA / アミロイド凝集 / 小分子添加剤 / 酵素の安定化 / タンパク質凝集抑制剤 / 酵素の安定化剤 |
研究概要 |
タンパク質は生体内で、特異的な立体構造を形成して機能する。タンパク質は試験管内に取り出し、バイオテクノロジーや医薬品などに広く用いられる物質であるが、不安定で失活しやすい特性を持つ。特にポリペプチド鎖はもともと疎水性領域を多く含んでいるので、分子間で会合して不可逆に凝集してしまうことが多い。 タンパク質の凝集を防ぎ安定に保つためには、グアニジンなどのカオトロピックイオンや少量の界面活性剤の添加や、グリセロールを添加して極低温に保つなどの方法がある。 近年ではアルギニンなどが注目されているが、高濃度を添加しないと効果が低いなどの欠点も依然として残る。そこで私たちは、低濃度でタンパク質凝集抑制に効果を示す生体小分子化合物を探索した。 ニワトリ由来リゾチームをモデルに加熱に伴う凝集抑制効果を調べた。その結果、アミノ酸誘導体やオリゴアミドなどに高い効果が見られることが分かった。これらの小分子をリフォールディングに利用したところ、効果の見られる小分子もあった。高温と併用することでさらに効果が上がる小分子が存在することも分かってきた。 コンカナバリンAをモデルに、塩溶液中での加熱に伴う凝集課程を解析した。高温ほど凝集速度が増加したが、興味深いことに凝集課程はstretched-exponential式に従うことが分かった。 小分子添加によるタンパク質凝集抑制法の利点は、精製や分光測定の際に共存させることも可能で、目的を果たしたあと透析や脱塩カラム等で安易に分離できることにある。しかも安価で簡単な小分子を添加するだけでタンパク質凝集をいくらかでも抑制できれば、凝集しやすいだけで研究が進まなかったタンパク質の研究や産業利用への可能性が広がっていくだろう。
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