研究課題/領域番号 |
16750163
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能材料・デバイス
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
秋山 毅 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (20304751)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | ポリチオフェン / ポルフィリン / フラーレン / 電解重合 / 光電流 / 金ナノ構造 / 表面プラズモン / 多孔性電極 / 多孔質電極 / 量子光学効果 |
研究概要 |
電解法によって得た多孔性金電極表面がナノ構造を備えており、光照射によって生じるプラズモンによって、電極表面に担持された色素が効率よく励起されることを蛍光スペクトル・励起スペクトルによって確認した。この結果によって、導電性高分子や有機色素で修飾した多孔性金電極を用いた光電変換デバイスが、鏡面金電極を用いた場合と比べて顕著に高い光電変換効率と特異な光電流波長依存性を示す事例を合理的に説明する事ができた。また、光閉じ込め効果による光電変換効率向上の可能性を見いだし、上述の結果とあわせて、ナノ構造を備えた電極は乾式有機太陽電池に使用する電極として極めて有望であることを科学的に示す事が出来た。 また、ナノサイズの金コロイドを液/液界面で金単粒子膜として析出させ、この膜を鏡面状電極ですくいあげて、金ナノ粒子単粒子膜電極を得る事が出来た。この電極に有機色素を修飾し、蛍光スペクトル・励起スペクトルによって分光特性を評価した所、500〜700nm程度の領域で色素の励起効率が顕著に向上する事が明らかとなった。このデバイスの光電変換特性を評価した所、電極表面積増大による光電流密度向上が確認された上、上述の500〜700nm程度の波長域においては電極表面積増大効果の数倍に達する光電変換効率向上効果が観測された。また、この単粒子膜表画において、表面ラマン増強効果が観測された。 以上の結果から、金ナノ粒子単粒子膜に光照射して発生するプラズモンによって色素が効率よく励起されたため、光電変換の高効率化が達成されたと考える事が合理的であり、先に述べた多孔性金電極と同様に、乾式有機太陽電池に使用する電極として、ナノ構造を備えた電極を用いる事の有効性を科学的に示す事ができた。
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