研究課題/領域番号 |
16750191
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子・繊維材料
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研究機関 | 茨城工業高等専門学校 |
研究代表者 |
宮下 美晴 茨城工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (00293259)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2006年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 生分解性ポリマー / セルロース誘導体 / ポリ乳酸 / グラフト共重合 / ポリマーブレンド / 塩化リチウム / モル置換度 |
研究概要 |
本研究では、多糖類をオリゴ乳酸鎖で化学修飾した多糖誘導体を合成し、これとポリ乳酸(PLA)との相溶化を図って、新規な生分解性ポリマーブレンドを作製することを目的としている。平成18年度中に得られた主な知見は以下の通りである。 前年度に続き、セルロースのエーテルあるいはエステル誘導体をオリゴ乳酸鎖で修飾したグラフト化多糖とPLAとのブレンドを作製し、その相溶性をDSC熱分析によるガラス転移点の評価に基づいて検討した。その結果、本研究で得られたグラフト化多糖は、導入されたオリゴ乳酸枝鎖の鎖長が短い場合PLAと非相溶であり、枝鎖の鎖長が長くなるにつれ僅かではあるが相溶性が良化する傾向にあることがわかった。一方、力学的性質に関して、グラフト化多糖成分との混合によりPLAの脆さが若干解消される傾向が見られた。また、各ブレンドを土壌中に埋没して生分解性を検討したところ、PLA単独の場合と同様の分解性を示した。ただし力学試験および生分解性試験については、試験回数がいまだ少ないため、今後も継続し、再現性を確認する必要がある。 さらに、キトサンを幹鎖、オリゴ乳酸を枝鎖とするグラフト化多糖を合成し、これとPLAとのブレンドの作製についても検討した。キトサン粉末をN,N-ジメチルアセトアミドに分散させ、ここにL-ラクチドと、触媒となる塩化リチウムを加えて加熱攪拌することによりグラフト化を試みた。不均一系での反応であったため、所望のグラフト化物を得るための条件を探索するのが困難であったが、最終的には、オリゴ乳酸鎖が枝鎖として僅かに導入されたグラフト化キトサンを得ることができた。グラフト化キトサンの合成が予想通りに進まなかったため、これとPLAとのブレンドの相溶性については、未だ明確な結果が得られていない。現在、ブレンド作製を行っており、肉眼下では均一なブレンドもいくつか得られているので、今後早急にDSC熱分析による相溶性の判定等を行う予定である。 上記の成果に加え、本研究の結果を合理的に解釈し、さらに高機能・高性能なポリマーブレンドに発展させていくための準備として、他の多糖類/合成ポリマー複合体の作製と特性評価についても検討した。
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