研究課題/領域番号 |
16760015
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西山 貴史 九州大学, 工学研究院, 助手 (80363381)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2004年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 高重力場 / 傾斜機能材料(FGM) / 薄膜 / 高速回転 / 真空装置 / レーザーアプレーション法 / 原子レベルの沈降 / 傾斜機能材料 / 原子の沈降 / 非接触加熱 |
研究概要 |
組成や機能などが連続的に変化している材料は、傾斜機能材料(FGM : Functionally Graded Material)と呼ばれ、航空宇宙分野をはじめとして、エネルギー材料、オプトエレクトロニクス、生体材料などの様々な分野において研究が行われている。また、微少重力場を利用した研究がさかんに行われているのに対して、高重力場については積極的に利用した研究はこれまでにほとんど行われていない。 本研究では、高速回転機構を利用した傾斜機能薄膜作製装置(超高重力場発生装置)を開発し、それを用いて2成分系薄膜物質の組成を傾斜化させる実験を行い、超高重力場が薄膜物質に及ぼす効果について調査を行った。16年度には真空チャンバー中の円板の高速回転によって高重力場を発生させる装置の設計・作製を行い、24時間以上の長時間でも安定に動作する回転数9,000rpmにて鉄シリサイド薄膜の組成傾斜実験を行った。しかし、予想していたような薄膜組成比の変化は見られなかった。組成傾斜が起こらない原因は、高重力場によって各原子にかかるボディーフォースが、サンプル物質の化学ポテンシャルと比較して小さく、原子移動が起こらないためであると考え、そのエネルギー不足を補う方法として、赤外線ランプによるサンプルの非接触加熱を試みたがほとんど効果はなかった。そこで17年度は、高エネルギーの粒子付着製膜法の一種であるレーザーアブレーション法(PLD法)に着目し、高速回転による高重力場下に置かれた基板にPLD法を用いて製膜することで、組成傾斜に必要なエネルギーを供給する実験を行った。その結果、鉄シリサイド(FeSi_2)を用いた実験において、重力方向でより重いFe原子の薄膜中での割合の増加が見られた。 これらの結果から、高重力場とPLDの組み合わせは、傾斜機能薄膜材料を容易に作製する方法として有効であることが確認できた。
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