研究課題/領域番号 |
16760021
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薄膜・表面界面物性
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
入江 聡 福井大学, 総合実験研究支援センター, 講師 (90313733)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 有機薄膜 / 結晶成長 / エピタキシー / 3回対称性有機分子 / 有機分子超薄膜 / 構造形成 |
研究概要 |
TDTCHTO分子は三角形状分子であるが、単分子層において比較的大きな膜穴を有するが分子の周囲を囲む水素をメチル基に置換したときには膜穴を生じない。本研究ではこの成立要因を解明すべく同一平面にある2分子の相対位置によるエネルギー計算を行った。その結果、単分子層ではグラファイト(0001)面と整合していることや等方的なファンデルワールス相互作用と静電相互作用のみを考慮した場合には、膜穴構造は再現できなかった。このことから硫黄-硫黄間相互作用の等方的でない相互作用が不可欠であることが明らかとなった。 また、同じような三回対称性分子である中心の6員環が異なるトリフェニル化合物は分子の周りの構造がほとんど変わらないのに基板に対する吸着姿勢が変わる。分子面が基板に対して垂直に立つ分子2種、分子面が基板に対して平行になる分子の2種について結晶構造とエピタキシーについて比較した。どちらの分子吸着姿勢であってもエピタキシャル成長している場合があったが、結晶構造は平行に吸着する場合には層状構造、垂直に吸着する場合にはカラム構造となることが明らかになった。すなわち、これらの分子群の場合には中心の6員環の相互作用の強さにより、分子吸着姿勢及び結晶構造のパターンが決定されることがわかった。 TDTCHTO化合物とトリフェニル化合物の6つの三回対称性分子における分子構造と分子吸着姿勢、分子パッキング、結晶構造の関係は、分子と分子との相互作用でも分子の周囲に働く異方性のある相互作用と、分子面間での相互作用が大きな影響を与えていると考えられる。
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