研究課題/領域番号 |
16760033
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤村 隆史 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (50361647)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ホログラフィックメモリー / ニオブ酸リチウム / ルテニウム / 不揮発性ホログラム / ホログラフィック光メモリー |
研究概要 |
近年我々が開発した不揮発性ホログラム記録材料であるRu:Fe:LiNbO_3結晶は、(1)高い記録感度、(2)可視光領域でのゲートと記録が可能、(3)定着時のホログラム消去率が小さい、などメモリー材料として魅力的な特徴を有している。一方でこれまでの記録機構では説明のつかない現象も見つかっており、従来とは異なる新しい記録機構によって不揮発性ホログラムが記録されている可能性が示唆されている。本研究ではこのRu:Fe:LiNbO_3結晶におけるフォトリフラクティブ特性及び記録機構を明らかにし、新しい不揮発記録機構のモデル化と、この材料系のさらなる性能改善を目的とした。 以下に、本研究で得られた成果をまとめる。 1.Fe添加量の異なるRu,Fe:LiNbO_3結晶における吸収スペクトルの考察から、Feは結晶成長後ほぼすべてがイオン化されFe^<3+>の状態でLiNbO_3中に存在する。 2.定着時の消去率の小さい要因は、Ruに起因している。 3.光誘起吸収変化の起源は、室温で長い寿命を持っていることからスモールポーラロン由来ではなく、不純物準位などのトラップ準位が由来となっている。 4.波長530nm付近に見える吸収ピークは光起電力効果に関与していないことから、この吸収はRuの結晶場遷移と考えられる。 5.ホログラム記録感度、最大屈折率変化量は、Feの添加量に強く依存し、添加量が多ければ多いほど、感度も屈折率変化も大きくなる。 6.RuO_2:0.18wt.%,Fe_2O_3:0.15wt.%添加したLiNbO_3結晶において記録感度0.12cm/JとダイナミックレンジM/#=0.53(厚さ0.5mm)を得ることができた。これは記録波長633nmにおいて現在最も高い記録感度である。
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