研究課題/領域番号 |
16760045
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物理学一般
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
左近 拓男 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (80271964)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 形状記憶合金 / 磁場誘起歪み / 磁歪 / 磁化 / パルス強磁場 / マルテンサイト変態 / キャパシタンス法 / 磁歪同時測定 / パルス磁場 / 強磁場 / マルテンサイト / 巨大磁歪 / アクチュエータ |
研究概要 |
本研究では東北大学金属材料研究所磁気物理学研究部門(野尻研究室)のパルス磁石を用いて形状記憶合金Fe_3Ptの磁化/磁歪の高速磁場応答性の実験的研究を行なった。パルス磁石は最高30Tを発生し、発生磁場の周波数は160Hzである。実験に用いた試料は、阪大掛下グループにより作成されたFe_3Pt単結晶を用いた。この物質は100K以下でマルテンサイト変態を起こすので、ヘリウム4冷凍機を用いて、転移温度より充分低い4.2Kから70Kの範囲で磁場誘起歪みと磁化の観測を行なった。磁場誘起歪みは三端子静電容量法(キャパシタンス法)で測定し、磁化は誘導法で行なった。 まず、磁場を加えない状態で室温(300K)から4.2Kまで冷却し、パルス磁場を印加した。0.5T以上の磁場で磁場と平行に縮む方向1.6%の歪みが発生した。さらに同じ温度で磁場を加えると0.6%程度の歪みが圧縮方向に繰り返し現れた。1回目の初期歪みと2回目以降の可逆歪みの大きさは、定常磁場とほぼ同等であった。磁場印加時の転移磁場は定常磁場よりも若干高磁場側で発生したが、その差は0.2T程度と小さいので、160Hzの交流磁場でも磁場誘起歪みが得られると結論できた。さらに、70Kまでの複数の温度で可逆歪みの測定を行なった。歪みの大きさは20K付近で最大の約0.9%となる結果が得られた。この傾向も定常磁場と同様であった。磁化は4.2Kと70Kで測定した。4.2Kでは磁場の上昇とともにほぼ直線的に磁化が増加し、0.5Tで折れ曲がりが生じた。これは磁場誘起歪みに対応するものと思われる。また、ヒステリシスも観測されたが、これは磁場印加によるバリアント変換によるものであると考えられる。パルス磁場の発生後の残留磁化が生じないことから、磁場掃引による磁化は磁場誘起によるものであると考えられる。
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