研究課題/領域番号 |
16760052
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工学基礎
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
等々力 賢 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (10270886)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | カオス / ダイナミカルノイズ / 特異値分解 / ゆらぎ / ノイズ誘起秩序 / 観測ノイズ / Chuaの電子回路 |
研究概要 |
本研究ではこれまでに、「ダイナミカルノイズ」のカオスへ及ぼす影響を評価する手法を提案している。これは観測された時系列データに対して特異値分解を行い、得られた特異値の時間的なゆらぎを抽出することにより、ダイナミカルノイズのシステムへの影響を調べる手法である。本年度では、以下のことを実施した。 1.本評価手法のより一層の理解と発展を試みた。 研究計画での数学的側面からの理解は十分ではなかったが、評価手法の改良を行う中で、より一層の理解と発展が図られた。従来の評価インデックスではデータ数依存性の評価が困難であったが、今回新たに別の評価インデックスを提案した結果、データ数依存性の評価が可能となり、本手法で適用可能なデータ数の下限値の概算を得る事が出来た。これに依り、実データ利用への知見が得られた。また、埋め込みの有無についての影響を調べ、埋め込みに依りむしろ観測ノイズの影響が軽減され、ダイナミカルノイズの特徴抽出に有利な場合のあることが確認された。これは、Shannon Entropy等の他の典型的な統計的手法と比べて有利であると考えられる。 2.高次元カオスにおける本評価手法の適用可能性の検討とノイズ誘起秩序の解析を試みた。 実験での解析は十分ではなかったが、数値解析においては、Globally Coupled Map(GCM)モデルを用いて解析を行い、有効な結果が得られた。特に、平均場で評価する場合には、高次元カオスを低次元カオスと同様に扱うことができ、本手法でも解析が可能であることが示せた。また、ノイズ誘起秩序に関しては、ノイズレベルの強度や遷移パラメータの変化に応じたシステムの状態の種々の変化を、本手法で抽出可能なことが示された。
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